ヴァンキッシュはシマノ上位機種スピニングリールとして人気の高いモデルです。 このヴァンキッシュですが、歴代3つのモデルが販売されていることはご存知でしょうか? 今回は歴代ヴァンキッシュについてそれぞれのモデルにおける注目ポイントと、ステラ(シマノ ステラ 歴代モデル全12種のここがイイ!)やツインパワーといった他の機種とどのような違いがあるのかをご紹介していきたいと思います。
目次
16 ヴァンキッシュは現行販売されている最新モデル。
シマノスピニングリールにおいて初めて「マイクロモジュールギア」と「NEWマグナムライトローター」を搭載しました。
初代12ヴァンキッシュから4年経ち「クイックレスポンスシリーズ」のフラッグシップモデルとしてさらにスペックを向上させモデルチェンジした高い人気を誇るスピニングリールです。
16 ヴァンキッシュでは発売時、2つの新しい技術が搭載されたのがとても印象的でした。 まずはなんといってもそれまでベイトリールにしか搭載されていなかった「マイクロモジュールギア」です。
マイクロモジュールギアはギアの歯を可能な限り細かくしたもので、スピニングリールに搭載するにはベイトリールのときよりもさらに小型化され内部構造も複雑となるので、革新的な技術として注目されました。
さらにクイックレスポンスシリーズを象徴する新しい形状のローター「NEWマグナムライトローター」も初搭載となりました。 従来の「マグナムライトローター」が左右対称となっていたのに対して、「NEWマグナムライトローター」では左右非対称の形状デザインとしてあり、さらに慣性力の軽減、そして強度アップも出来るようになりました。
この16 ヴァンキッシュで初搭載されたのち、NEWマグナムライトローターは後のクイックレスポンスシリーズを始めとするライトユースなシチュエーションで使うシマノスピニングリールにも続々と搭載されるようになり、今ではスタンダードなものとなっています。
16ヴァンキッシュには派生モデルとして「17ヴァンキッシュFWチューン」というモデルが販売されています。 こちらは基本性能はヴァンキッシュと同じですが、今までのラインナップに無かった「1000S」と「1000S HG」の2つの機種がラインナップされました。
デザインの面においてはボディカラーがノーマルの16ヴァンキッシュよりも濃くなっていて、スプール面とスカート部分のダークグレーとゴールドのカラー配置を逆にしてあり、さらにハンドルクランク部のスクリューもシルバーからゴールドに変更されています。
また、「1000S」と「1000S HG」でもデザインが変えられており、「1000S HG」はハンドル付け根部分がゴールドのパーツデザインとなっています。
シマノから2013年限定にて販売された希少なリールが「ヴァンキッシュ リミテッド エディション」です。 ラインナップはC2000HGS、2500HG、C3000HGSDH、4000XGとなっています。
特にC3000HGSDHに関してはオリジナルの12ヴァンキッシュがC3000SDHとノーマルギアとなっていて基本ラインナップに無い仕様だったため、注目を集めるものとなりました。
4つの機種が全てハイギアからエクストラハイギアといったギア比となっていますが、ギア比の高いリールがもてはやされていた時代となっていたためこのようなラインナップとなっていたのではないかと思われます。
ヴァンキッシュ リミテッド エディションではオリジナルデザインが多数採用されました。
スプールと防水キャップはリミテッドエディションオリジナルデザイン、ハンドルノブに関してはシマノのカスタムパーツブランド「夢屋」をベースにして夢屋のロゴ印刷を無しとしてあるものが採用されています。
また、ハンドル部に関してもオリジナルデザインとなっていて、4つのモデルそれぞれに適したハンドルが搭載されています。
ヴァンキッシュ リミテッド エディションはデザインの秀逸さ、また限定生産で希少なため、使用されていても現在も高額で取引されている人気のスピニングリールです。
クイックレスポンスシリーズのフラッグシップモデルとしてデビューしたのが12 ヴァンキッシュ。
12 ヴァンキッシュは現在も続いているシマノが提唱する「クイックレスポンスシリーズ」の始まりとなったスピニングリールです。 軽量な巻き心地を持ち、感度のよいスピニングリールとして発売当初は多くのアングラーから注目を集めました。
12 ヴァンキッシュで最も大きく変わったのが「マグナムライトローター」の搭載です。
マグナムライトローターはリールを巻いたときに発生するローターのブレや慣性を抑えるものとして注目されたシマノのテクノロジーです。
カーボン素材の「CI4+」をローター素材として採用し、従来よりも巻き始めの重さを軽減し止めたいときには慣性が少ないためしっかり止められる、さらには遠心力も発生しにくくなったのでリトリーブ中のブレも少ないといったメリットがマグナムライトローターの採用で得られるようになりました。
12 ヴァンキッシュには、強度と軽さを両立できるマグネシウムを使用した「スーパーマグネシウムボディ」、また、AR-Cスプールを軽量化した「AR-Cライトスプール」を搭載しています。
特に「AR-Cライトスプール」の搭載によって、重心がより手元に集中する形となり、他の技術と併せて感度向上がかなり図られたモデルとなっています。
ヴァンキッシュとの比較で最も気になるのがステラとの比較ではないでしょうか? ヴァンキッシュとステラの違いはローターと表面加工の違いとなっています。
ステラには金属ローターが採用してあり、スプールには「E.I.」という超防錆処理が施してあります。
これによって使用シーンを問わず、どんな状況においても使えるリールとなっているのがステラであると思います。
もう一つヴァンキッシュとの比較で気になるのがツインパワーでしょう。
ヴァンキッシュとツインパワーの違いを一言で表すと「剛性の違い」です。 ツインパワーではベールを太くしてあったり、ギアの厚みを増したりといった工夫がところどころに見られていて、ヴァンキッシュよりも剛性を高めてある仕様としてあります。
また、以前「ツインパワーMg」といったモデルがありましたが、こちらはヴァンキッシュとステラの流れに組み込まれるようになったというイメージを持っておくと良いと思います。
少し前の話になりますが、01ステラにおいて「FW(フレッシュウォーター)」「SW(ソルトウォーター)」「AR(オールラウンド)」と3つのラインナップがありましたが、その流れを現在汲みながら細分化されているのが現在のシマノスピニングリールのラインナップだと思われます。
具体的な各リールの選び方としては、シチュエーションを問わず使いたいならオールラウンドな「ステラ」、フレッシュウォーターを始めとするライトユース向けだと「ヴァンキッシュ」、ソルトウォーターシーンでの使用を主とするなら「ツインパワー」と考えてみると、ご自身でリールを選ぶ際の目安となってくるのではないかと思います。
いかがでしたでしょうか? ヴァンキッシュは初代の発売が2012年、現行モデルが2016年発売となっていて4年周期でモデルチェンジしているので、次の新しいモデルが販売となるのは2020年ではないかと予想されます。
今年2018年に関しては18ステラが新しく販売されますので、今ヴァンキッシュを持っている方は買い取り価格が高いうちに買い替えを検討してみてもよいかもしれません。